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山中湖・富士山で趣味を極める2015 / 10 / 22
【盆栽】海外で人気沸騰中の「Bonsai(盆栽)」を学ぶ
「盆栽」とは、鉢という小さな世界の中に壮大で繊細な自然の景観を創り出す芸術です。そして、四季を通して植物を育てながらその姿に美しさを追求していく高尚な趣味です。その観念や美意識には時に私たち日本人でも理解が及ばないこともありますが、そんな盆栽が今、世界中で人気を集めています。
大人の趣味・ライフスタイルや上質な時間の過ごし方について考えるコラム「フジヤマクロスロード」。今回は、現在世界中で注目を集めている「Bonsai(盆栽)」についてご紹介したいと思います。
「Bonsai(盆栽)」が注目を集めている理由
ジャパニーズカルチャーへの関心
一つには、海外でジャパニーズカルチャーへの関心が高まっていることが挙げられます。急速なグローバル化にともなって特にヨーロッパでは「国境はなくなったも同然」と言える状況ですが、そんな欧州の人たちにとって極東の日本はなおも「異国」「異文化」であり、独特の世界観が興味・関心の対象であり続けています。
盆栽が持つアート性
二つ目は、盆栽が持つアート性です。植物や鉢の種類は多様で、大きさも形状もさまざま。このある種の「奔放さ」に価値を感じ、ユニークなインテリアとして購入する外国人が増えているのです。しかし、奔放さの中にも草木の種類に応じた仕立て方などの決まりごとがあるのが盆栽ならではの奥深さ。それを知ることで栽培・鑑賞する際の楽しみが増え、アートとしての価値も高まります。
ソーシャルネットワークの普及
最後が、ソーシャルネットワーク(SNS)の普及です。今日では美しいもの、驚いたもの、感動したものなどはすぐに写真で多数の知人・友人と共有できます。実際、戦国武将の上杉謙信が姉に贈ったとされる盆栽「謙信峠」の画像が海外で話題になりましたが、InstagramやFacebookなどのツールが盆栽への関心を集めるきっかけになったことは間違いないでしょう。
海外でも人気の樹種
五葉松
葉の広がり方が上品で美しく、前姿も後ろ姿もバランスが良い樹種です。時間の経過とともに風格がでてくること、針金をかけることで好みの形を作れること、寒さに強く育てやすいことから、国内外を問わず多くの愛好家に人気があります。
桜
とりわけ日本文化に馴染みの深い植物である桜は、外国人に人気がある樹種の一つ。3月末から4月中旬にかけて、白色や桃色の花を咲かせてくれます。豪華な花が特徴の八重桜やたくさんの花をつける旭山桜(一才桜)など、同じ桜でもさまざまな表情を楽しめます。
山もみじ
季節を感じられる盆栽の定番として桜と並ぶのが、この山もみじです。盆栽の美姿を保つためには風通しの管理や水やり、剪定の手間が多少かかりますが、見頃になれば葉が真っ赤に色づき、緑の苔とのコントラストが「雅」を演出してくれます。ちなみに冒頭の写真は「出猩々(でしょうじょう)」というもみじで、春の目出しの葉が赤く美しい特徴のある品種です。
盆栽を趣味にするメリット
趣味として一生涯楽しめる
盆栽は運動のように身体的負担が大きな趣味ではないので、何歳になっても楽しむことができます。同じ一つの鉢で何十年も成長を見られるのも、盆栽の良いところです。
育てるうえで想像力が磨かれる
無駄な枝や葉を切ったり、幹を理想の方向へ伸ばしたりする際には想像力が必要です。盆栽で培った想像力はビジネスにおいても「先見性」として役立つでしょう。
コミュニケーションツールになる
外資系企業やグローバル企業の経営者とのコミュニケーションに使えるかもしれません。共通の趣味があれば心の距離が縮まり、ビジネスがより展開しやすくなるはずです。
買ったときより高く売れることがある
「生きた美術品」とも呼ばれる盆栽は、樹齢を重ねるほど価値が上がります。心を込めて育てた盆栽が購入時より高く売れるというケースは珍しくありません。価値が付くように育てるというのも、楽しみ方の一つです。
ビジネスマンが嗜んでおくべき趣味?
海外では、若い方を中心に盆栽人気が高まっているようです。ガーデニング文化が根付くフランスやスペインには盆栽の専門誌があり、イタリアには盆栽の美術館まであります。世界を見据える経営者の方にとっては、嗜んでおくべき趣味と言えるかもしれません。
海外のBonsaiファンにとってホットなスポットになっているのが、国内屈指の盆栽郷として知られる埼玉県の大宮盆栽村。そこに隣接する「さいたま市大宮盆栽美術館」には、3000人以上(2014年度)の外国人の方が来館しているそうです。盆栽は地域の盆栽店、園芸店、ホームセンター、インターネットなどで購入することができますが、アートとしての魅力に触れたいなら、一度こちらで名作に触れてみるのも良いでしょう。
さいたま市大宮盆栽美術館
住所: 〒331-0804
埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
TEL: 048-780-2091
FAX: 048-668-2323