経営者がデスクチェアにこだわるべき5つの理由
山中湖・富士山で趣味を極める
【花火】富士山麓で「夏の風物詩」の奥深さを楽しむ
日本を代表する夏の風物詩「花火」。富士山の周辺でも毎年複数の花火大会が開かれ、多くの観光客を集めています。花火を一度も見たことがない日本人はほとんどいないと思いますが、その成り立ちや歴史をご存じの方はあまり多くないのではないでしょうか。
今回のフジヤマクロスロードでは、夏の風物詩がいっそう趣深くなる花火の基礎知識と、富士山周辺で開催される花火大会情報をご紹介します。
「星」って何?「スターマイン」って何?花火の基礎知識
花火とは火薬の爆発によって光や音、煙を発生させ、色や形状などを演出する仕掛けのことです。鑑賞に用いられるほか、合図や信号として使われることもあります。
大きく分類すると、一般家庭で楽しめる「玩具花火」と花火大会などで使われる「煙火」の2種類があります。煙火はさらに、「打ち上げ煙火」「仕掛け煙火」「その他」に分類できます。その他に該当する煙火は、照明筒や鳥獣駆除として使用されるものです。
花火の構造~花火の輪が二重・三重になる理由~
花火の玉の中には「星」と呼ばれる煙や火を出しながら燃えるタイプの火薬の粒と、「割薬」と呼ばれる星を飛ばすための火薬が詰められています。 玉が上空で破裂した時、中に詰めた「星」が花火の輪になると言えばイメージしやすいでしょうか。つまり、星が二重に詰められていると二重の輪、三重に詰められていると三重の輪になる――という構造になっています。
打ち上げ方法~スターマインはコンピューター制御~
打ち上げ方法は大きく分けて4種類あります。また、花火大会のプログラムは、打ち上げ方の組み合わせで決まっています。
・単発打ち上げ
単独の打ち上げ筒に打ち上げ火薬と花火玉を入れ、1発ずつ打ち上げる方法です。
・連続打ち上げ(振り込み式など)
複数の打ち上げ筒に打ち上げ火薬と花火玉を入れておき、連続して打ち上げる方法です。
・連発打ち上げ(焼金式早打ち)
打ち上げ筒に火種を入れておき、最初に打ち上げ火薬を取り付けた花火玉を手で落とし、連続して打ち上げる方法です。
・スターマイン(速射連発方式)
仕掛け花火の一種で、大小多数の花火玉を連続して打ち上げる方法です。コンピューター式点火器を使用して遠隔で点火する場合が多く、コンピューター制御なので音楽とシンクロさせることもできます。
花火の歴史~娯楽になったのは江戸時代から~
花火を誰が、いつ、どんな形で発明したかという起源については、正確な情報がありません。実は、花火に欠かせない黒色火薬の発明時期でさえはっきりしていないのです。唐の時代に中国で火薬が軍事利用されていたこと、14世紀のイタリアのフィレンツェで観賞用花火が使われていたことなど史料はいくつか残っていますが、こちらも詳しいことはわかっていません。
日本では、種子島に鉄砲が伝来したタイミング(1543年)に合わせて火薬が輸入されました。これと近い時期に、日本でも花火の製造が始まったと見られています。火薬全般は長く戦争の道具として利用されてきましたが、少なくとも江戸時代以降、花火は娯楽として市民の間で楽しまれていたようです。
日本で初めて花火を見たのは誰?
日本で最初に花火を娯楽として鑑賞した人物は、江戸幕府の初代征夷大将軍である徳川家康だと言われています。江戸時代の書物『駿府政事録』には、1613年に駿府城へ訪れた英国王ジェームズ1世の使者によって城内で披露された花火を家康が見物したという記録が残っています。
史料に残っている範囲では、これが花火の起源だと言われています。当時の花火は火の粉が噴き出すだけのシンプルなものだったようですが、晩年の家康が花火を楽しんでいたと知ると、花火がより趣のあるものに感じられます。
花火を文化にした江戸の町人たち
江戸時代中期になると、江戸では頻繁に花火が打ち上げられるようになりました。花火作りや打ち上げにはお金がかかりましたが、当時の町人たちはとても羽振りが良く、大店(おおだな)の旦那(経営者)たちが花火のスポンサーになったと言います。
旦那衆の豪遊ぶりは当時の芝居に取り上げられるほど目立っていましたが、中でも花火は店の繫盛ぶりを見せつけるのに最適なアピール方法だったようです。花火を売っていた業者も、旦那衆と商談を進めることに必死だったのだとか。
その後、徳川家などの大名たちも「商人に負けてはならない」と花火のスポンサーに手を挙げるようになりました。町人たちが特に好んだのは横に広がる「仕掛け花火」で、武家が好んだ花火は空で弧を描く「のろし花火」だったそうです。この両方の技術が融合し、現代の日本の花火になっています。
主な花火の種類~実は種類が豊富にある打ち上げ花火~
割物
日本の伝統的な花火の基本形と言われています。打ち上げられて玉が割れたときに全方向に球体の皮が飛び散るため、このような名前になりました。導火線に点火すると、星のように発光しながら飛び散り、美しい円を夜空に描きます。火の粉が菊の花のように広がる「菊」や、火花が尾を引かずに点で輝く「牡丹」などがあります。
小割物
割物よりも小さな花火玉を内包している花火です。上空で破裂して少しの間は何も見えず、一呼吸おいてから一斉に小さな菊の花が開いたように広がる「千輪菊」、バンバンと音を出しながら強い光と火の粉を発する「花雷(はならい)」などの種類があります。
ポカ物
花火の球体がポカッと真二つに割れ、中に入っている細工を放出する仕掛けから「ポカ物」という名前が付けられました。花火の広がりは狭いものの、内包するものによっていろいろな演出を工夫できます。花火が破裂した際に色紙なども同時に飛び散り、火花が方八方に不規則な動きをして見える「飛遊星(ひゆうせい)」などが該当します。
型物
割物の応用系で、文字、ニコニコマーク、キャラクター、リボンなどの絵柄・デザインを描くことができる花火です。絵を表現する花火は平面的な構造なため、見る角度によってはただの線になってしまいます。観客席側に向けて断面が破裂するよう、仕掛けを工夫するには技術が必要です。
富士山周辺の花火大会
富士山・河口湖山開きまつり 花火大会
開催日:2019 年7 月6 日
場所:山梨県南都留郡富士河口湖町船津 河口湖畔 船津浜
西湖竜宮祭 花火大会
開催日:2019 年8月2 日
場所:西湖湖畔前浜沖
本栖湖神湖祭 花火大会
開催日:2019 年8月3日
場所:本栖湖湖畔町営駐車場(遊覧船乗り場付近)
精進湖涼湖祭 花火大会&精進湖音楽祭
開催日:2019 年8月4日
場所:精進湖湖畔(他手合浜)
河口湖湖上祭 花火大会
開催日:2019 年8 月4日~5日
場所:富士河口湖町船津浜・平浜駐車場、大池公園
200年、300年前と変わらない風景
私たちの「夏」に根付いている花火は、江戸時代から市民にとって気分が高揚するライブエンターテイメントでした。200年、300年前の人たちも、夏になれば同じように空を見上げ、鮮やかに光る大輪の花に心を躍らせていたのでしょう。当時から変わらない風景と進化し続ける技術に、花火の魅力とロマンを感じます。
今年の夏は、パートナーやご家族、ご友人と一緒に花火大会に足を運んでみてはいかがでしょうか。富士山を背景に借りた花火大会にも、他にはない趣があります。