「世界遺産」を趣味にすることで見えてくる世界|フジヤマクロスロード

自己投資の考え方と選択肢2016 / 02 / 25

「世界遺産」を趣味にすることで見えてくる世界

経営者の中には旅行が趣味という方もたくさんいらっしゃいますが、旅行の目的として近年とくに人気があるのが「世界遺産巡り」。2013年に富士山が登録されたことでさらに認知も人気も高まった感のある世界遺産ですが、JTBの調査(2014年)によれば、世界遺産の観光を目的に旅行した経験がある方は国内で49%にのぼるそうです。

大人のライフスタイルや価値のある時間の過ごし方に光を当てる「フジヤマクロスロード」、今回は、そんな世界遺産を趣味にすることで見えてくる世界について考察してみたいと思います。数が多くバラエティに富んでいることから、趣味にするだけで自分の見識や興味の幅がおのずと広がっていく――それが世界遺産の素敵なところです。

世界遺産とは

世界遺産は、1972年のユネスコ総会で採択された「世界遺産条約」に基づいてリストに登録された遺跡や建造物、自然など、人類が共有していくべき顕著な普遍的価値を持つ遺産のことです。日本ユネスコ協会連盟は、「地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」と表現しています。

世界遺産は「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」の3つに大別され、2014年12月時点で登録されているのは1007件(うち日本は19件)を数えます。

文化遺産 自然遺産 複合遺産
顕著な普遍的価値をもつ建築物(建造物群)や遺跡、記念物、文化的景観がこれに該当します。 顕著な普遍的価値をもつ地形、生態系、自然景観、自然現象などを備えた地域がこれに該当します。 文化遺産と自然遺産の登録基準のうち、少なくとも一項目ずつ以上にあてはまる対象がこれに該当します。
【代表的な文化遺産】
・タージ・マハル(インド)
・アンコール遺跡(カンボジア)
・ストーンヘンジ(イギリス)
・富士山(日本)
【代表的な自然遺産】
・グレート・バリア・リーフ(オーストラリア)
・マデイラ島(ポルトガル)
・バイカル湖(ロシア)
・白神山地(日本)
【代表的な複合遺産】
・峨眉山と楽山大仏(中国)
・イビサ島(スペイン)
・カッパドキア(トルコ)
・マチュ・ピチュ(ペルー/写真)

 

 

世界遺産巡りから広がる知識

カメラ

世界遺産巡りに欠かせないのが写真撮影。現在は高機能なデジタルカメラが「失敗のない写真」を約束してくれますが、同じ被写体でも撮る方よってまったく違う表情になります。圧倒的な存在感を放つ被写体を前に、自己満足の追求に目覚める方も多いようです。経営者の方がカメラを学ぶと美的感覚やデザインセンスが養われ、メッセージ性やインパクトの強い自社Webサイトやパンフレットなどを制作できるようになるでしょう。

歴史

世界遺産と密接に関わっているのが歴史です。原爆ドームや独立記念館(アメリカ)のように歴史を変える出来事の舞台となった文化遺産もあれば、ガウディの作品群(スペイン)のように建築そのものに価値が認められるものもあります。歴史は全体的に好感を持たれやすい趣味であり、雑学・蘊蓄が蓄積されればコミュニケーションが豊かになります。グローバル企業の経営者なら、世界遺産が商談前のアイスブレークに役立つかもしれません。

動物・野鳥

自然遺産の中には、グリズリーやバッファローなどの群れを観察できるイエローストーン国立公園(アメリカ)、500種類以上の野鳥が生息するチトワン国立公園(ネパール)など、極めて珍しい生態系を有した国立公園も少なくありません。そうした世界遺産を巡ることで動物観察・野鳥観察が趣味になるという方も多くいます。大自然に触れることはストレス発散につながり、集中力や観察力の向上はビジネスの中でも活きるはずです。

外国語

世界各地の文化遺産や自然遺産を巡っている経営者の方は、現地でさまざまな言語に触れることから外国語への抵抗がなくなります。この「抵抗がない」というのは、例えば海外展開を目指す経営者の方が限られた時間で外国語の習得を目指す上では、非常に重要なポイントです。世界遺産は同じ物件を何度も観光するリピーターが多いことでも知られており、回を重ねるごとに現地語や英語でのコミュニケーション力も上がってきます。

世界遺産検定は「勉強自体が刺激的」

世界遺産に興味を持たれた方におすすめしたいのが、NPO法人世界遺産アカデミーが主催する「世界遺産検定」です。経営者の場合、就職に役立つといったメリットを感じることはありませんが、「勉強自体が刺激的で面白い」といった意見も多く、実際にこの検定を受けられた旅行業界以外の経営者の方も多いようです。

「過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物」に数多く触れることは、ゼロからイチを作っていく経営者脳にもさまざまな刺激を与えてくれることでしょう。趣味を自己投資へと昇華させる力、オンとオフをリンクさせて新たな世界を広げてくれる力が、世界遺産にはあるのです。