別荘作りの前に知らないと損?階段プランニングのツボ|フジヤマクロスロード

40代・50代のためのセカンドライフ2017 / 09 / 21

別荘作りの前に知らないと損?階段プランニングのツボ

2階建て以上の住まいであれば、当たり前に存在する「階段」。普段それほど気にすることはありませんが、別荘の設計・間取りを考えるうえで「階段をどのように配置するか」は非常に重要なポイントです。一般的な住宅に設置する階段は形状別に大きく分けて4種類あり、それぞれに特徴があります。

富士山麓で大人の暮らしや上質な時間の過ごし方について考える当コラム、今回は別荘作りの前に知っておきたい階段形状別のメリット・デメリットをチェックしていきましょう。

階段の設計について考える

階段を設置するとき、まず考えるポイントが3つあります。「どこに設置するか」「幅はどうするか」「形状はどうするか」です。

Point1 どこに設置するか

真っ先に考えるのが階段の設置場所です。「玄関に入ってすぐ」「リビングを出たところ」などが考えられますが、最近では家族の顔を見やすくするため、リビングに設置するのがトレンドになっています。一般的に別荘では家族がリビングに集まって過ごすシーンが基本になるので、動線を考えてもリビング内の設置が適当と言えそうです。もちろん、家族それぞれが自由に趣味に興じる場合には玄関付近や廊下なども考えられます。

Point2 幅はどうするか

住まいの階段の幅は建築基準法によって最低基準が定められており、「幅75cm以上」「奥行き(踏面寸法)15cm以上」「蹴上(階段の一段の高さ)23cm以下」となっています。階段を狭くすればそれだけ居住空間を広くすることができますが、荷物の上げ下ろしなどを考えると90cmは欲しいところ。特にベッドやタンスなどを設置する際、階段が狭いと窓からしか搬入できず、思わぬ手間と費用がかかる可能性もあります。

Point3 形状はどうするか

階段の形状によって安全性や使い勝手が違います。それぞれの特徴を把握して、家族全員にとって使いやすい階段形状を選びましょう。階段形状の主な4タイプについては、以下で詳しくご紹介します。

階段の形状には主に4つの種類が

直階段

折り返しがなく、まっすぐになっている階段です。一般的な住宅で最も多く使用されています。

メリット デメリット
  • 使用する面積が少ない
  • 形状がシンプルで施工しやすく、コストを抑えやすい
  • 限られたスペースで高さを出すため、急勾配になりやすい

 

かね折れ階段

途中で直角に曲がっているL字型の階段です。

メリット デメリット
  • 物を落としても踊り場でとどまりやすい
  • 階段下のスペースを広く取れるので、収納などにできる
  • 直階段よりも広いスペースを取る

 

折り返し階段

途中に踊り場があり、U字型に折り返している階段です。

メリット デメリット
  • かね折れ階段よりも踊り場が広いため、安全性が高い
  • 空間にゆとりがある
  • 広いスペースが必要になる

 

らせん階段

らせん状に曲がって配置された階段です。

メリット デメリット
  • 個性的な仕上がりになる
  • 省スペースになることもある
  • 踏み板が三角形のような形なので踏み外しやすく、安全性に配慮が必要
  • 大きな家具などを運ぶのが難しい

 

 

階段の使い勝手を大きく左右するデザイン

上記では階段全体の形状についてご紹介しましたが、階段のデザインによっても使い勝手は大きく変わります。階段のデザインにはさまざまなものがありますが、ここでは代表的なふたつのタイプ「オープン階段」と「箱形階段」についてご説明します。

オープン階段

「オープン階段」は、その名の通り階段下のスペースがオープンになっている階段です。足場となる「踏み板」など最低限の部位だけで構成されているので、リビングなどに設置しても向こう側が見えるため開放感があり、おしゃれな雰囲気を演出できます。階段の下に観葉植物やインテリア、家具などを置いてもよいでしょう。

箱形階段

「箱形階段」は、日本の一般住宅でもっとも多く使われているタイプの階段です。その名の通り箱を積み重ねたような見た目で、オープン階段とは違い、階段の下は壁になります。安定感・安心感を取りたい場合にはこのタイプがよいでしょう。階段の下には収納やトイレなどを設けられ、スペースを有効活用できます。

デザイン性と機能性を検討しながら適切な階段づくりを

階段の設置場所や形状によって、別荘やセカンドハウスは使いやすくも使いにくくもなります。リビングで集まって快適に過ごせる開放的な別荘にしたいならリビングにオープン階段を設置する、デッドスペースをフル活用したいなら箱形階段を採用する、といった形で希望に合わせて設計していきましょう。