山中湖に親しんで久しい方の中には、「ほとんどの観光スポットは知り尽くしている」と思っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。

でもこのエリアはまだまだ懐が深く、一般の方には知られていない名スポットが数限りなくあるのです。

地元の方しか知らないそんな名所を自由なプランで案内してくれるのが、富士急山梨ハイヤーのガイドツアー。3つの基本コースの中から、今回はこの時期の山中湖の美しい自然を満喫できる「自然満喫コース」をご紹介しましょう。

ご案内いただくのは山梨ハイヤーの有泉さん。富士五湖エリアのことなら、まるで掌を指すように熟知されたベテランです。

さっそくご案内いただいたのは平野から静岡方面に向かう道中の「パノラマ台」。

湖畔道路から三国峠方面に入り、絵のような新緑のトンネルをくぐりぬけ、不意に景観が開ける高台に出ると、そこがパノラマ台。眼前に広がる風景は、湖岸の輪郭もくっきりとした山中湖を前景に、ゆるやかな稜線が富士山頂へとつづく、まさに壮大な庭のような光景。

クルマが十分に止められるスペースに、景観を解説するガイドボードやベンチなどもあり、きっと誰もが時間を忘れて魅入ってしまうはず。自然の創り出した一大パノラマをゆっくりと堪能するのにぴったりです。

パノラマ台を後にして次に向かったのは、有泉さんが山中湖周辺エリアでも一、二を争う景観スポットと仰るお隣忍野村の「二十曲峠」。山中湖を良く知る方でも、ここへ行かれた方は少ないのではないでしょうか。

国指定天然記念物のハリモミ純林を過ぎ、一度では通り過ぎてしまいそうな細い山道を入ると、二十曲の名の通りのつづら折りを登っていきます。

ほどなく到着した二十曲峠は、忍野の盆地から富士の山頂までを真正面から一望できる、パノラマ台とはまたひと味違った雄大さ。取材時にはちょうど富士山の右肩に、田植えの時期の訪れを告げる「農鳥」も鮮やかな姿を見せていました。

展望台脇には山の神であるオオヤマツミノカミや、湧水を祀った水神の碑もあり、古くから地域の方々が豊かな恵みへの感謝を捧げ、大切に守ってきたことがひしひしと伝わってきます。

ここまでの車中で有泉さんに、このツアーはどんな方のご利用が多いのかを伺うと「お若い頃以来の山中湖を再訪されるご夫婦や、ハイキング・山登りを楽しむお客様、またファミリーやお仲間で賑やかに楽しむ方々まで本当に千差万別ですね」とのお答え。基本コースはあるものの行き先は自由にアレンジ可能。ドライバーさんと相談しながら目的にぴったりのオリジナルコースを設定できますから、山中湖周辺エリアをもっと知りたい方、また山中湖を初めて訪れるゲストをもてなしたい方にも、ぴったりのガイドツアーですね。