HOME > ライフスタイル&グルメ紹介 > 人々|Vol.3 忍野の自然に育まれる、人と作品
山中湖にほど近い忍野村。緑豊かなこの土地に、ひとりの陶芸家が窯を開いています。その作家の名は、會田雄亮さん。日本を代表する陶芸作家で「練上(※)」という技法を駆使して作り上げる作品が代表的です。日本のみならず世界でも高い評価を受けている會田さんが、忍野村に「忍野窯」を開いた理由、そして忍野村での仕事は、作品にどのような影響を与えているのでしょうか?
※練上……2種類以上の色土を重ね合わせ、断面にできる模様を薄く切り、そのまま器する。組み上げた模様を崩さないように成形する難しさや、乾燥・焼成中に切れを起こしやすい性質から、陶芸技法のなかでも、非常に難しいとされています。
會田さんが忍野村に窯を開くきっかけになったのは、アメリカのボストン美術館付属美術学校へ講師として赴いていたときのこと。「デイヴィッド・スミスというアメリカの有名な彫刻家の作品を見て『日本でもやりたい!』と思ったのがきっかけなんです」。
そこで東京から半径100km圏内をくまなく歩きまわり、最終的にたどり着いたのが、ここ忍野だったのです。「決め手は富士山。日本が誇る風景といったら、やっぱり富士山でしょう。このあたりから見る富士山は、男らしくていいんですよ。そして、何より自然が豊かなところがいい」。
気持ちよく仕事がしたいという會田さんの願いに叶った場所だったのです。
富士山麓という環境は、気持ちを癒してくれるだけでなく、作品へも影響を与えています。「溶岩のテクスチャーは、大きなレリーフを作るときによく使います。表面に溶岩を押しつけると、違った表情が出てくるんですよ」
會田さんの心を豊かにし、作品を深いものにしてくれる山中湖の自然。その恩恵は同時に、作品を見る私たちの心にも、温かさを与えてくれるのです。
會田雄亮さんは、独自の発想で建築と美術を結びつけた、日本で最初の人物。今でこそ「環境造形」という言葉が浸透しているが、こんな分野が確立したのは、會田さんがオリジナリティーを求めた結果なのです。
「大きいモニュメントばかり作っていると手が“荒れる”んですよ。ですから、器のように繊細なものを作ると、手先の技術がよみがえるんです」
色の違う粘土を重ねて紋様を構成する「練上」で作られる會田さんの作品。絵付けとは異なる独特な風合いが美しい。會田さんの作品は「忍野窯」のギャラリーで購入することができます。
写真左は、會田氏が手がけた山梨県立小瀬スポーツ公園のモニュメントプラザ。
1931年東京生まれ。千葉大学都市計画卒業後、宮之原謙氏に師事され陶芸の道へ。37歳でイタリア/フアエンツア国際陶芸コンペで金賞を受賞。その後、技術と作品の高い完成度を評価され海外をベースに精力的活動を続け、日本でも数々の個展を開催。1993年にはデザイン功労賞を受賞。現在は東北芸術工科大学名誉教授。
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十里木:055-998-1212
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