HOME > ライフスタイル&グルメ紹介 > 人々|Vol.8 初心者からマニアまで。フライフィッシングの奥深い魅力
開口一番、「フライフィッシング界ではカリスマと崇められているそうですね」と水を向けると、「いやいや。ただの病気ですよ。まぁ、幸福な病気なのかもしれませんが」と苦笑いする渡辺さん。空中を優雅に舞う釣り糸の動きと、上体をしならせる独特のフォームを目にしたことのある方も多いでしょう。そもそもフライフィッシングとは、昆虫を常食する渓流魚を捕らえるため、虫を模した毛針(フライ)を使う釣法のこと。手製の毛針で釣りに臨む愛好家たちにとって、フライフィッシングの楽しさは「釣る」という行為に留まりません。実に多面的な魅力を持つ、総合アートとも言えるスポーツなのです。
「始めたのは30年前。最初はルアーでの苦労が嘘のように、簡単に釣れたんです。『これは面白い!』と無我夢中で釣りました。しばらくすると、『なぜこの魚が釣れたのだろう?』と、その背景を考えるようになって」。
忍野では春でも30種類を超す虫が発生しますが、魚たちはそれらの虫を一様に食べるわけではないといいます。魚によって好きな虫が異なる上、羽化後の成虫のみを特定して食べるなど、虫の生長状態まで細かくえり好みしているそうです。
「それを調べるために、こうやってね、生きた魚のお腹からスポイトを使って内容物を吸い出すんです。中身を見ると、その魚がどんな虫を食べているかわかる。そこから、『じゃあ、この魚にはこんな毛針が合うんじゃないか』と想像するんです」。
その後は、採取した虫をつぶさに観察しながらの毛針作り。使う素材は動物の羽や毛をはじめ、ビーズや荷造り紐にいたるまで多種多様。色とりどりの素材の中から適当なものを見立て、こつこつとイミテーションの虫を作っていきます。完成した毛針は小さな芸術品とも言うべきもので、そのミクロな美の世界には、思わずため息が出てしまうほどです。「『不器用だから私には無理』と言う方もいますが、キレイな毛針だから釣れるとは限りません。こういう手作業って、女性は結構ハマるみたいですね」。
毛針を用意したら、いざ川辺へ。キャスティングと呼ばれる技法は、竿をムチのように扱うことで針を遠くに飛ばし、毛針で上手に魚を騙すことがポイントです。渡辺さん曰く、「コツはタイミングとリズム。『遠くへ投げよう』と力むほど、飛ばなくなるから不思議です」。そのため、力の弱い子どもや女性が、男性フィッシャーを圧倒することもしばしばといいます。
「一番の醍醐味はね、観察と推測と試行錯誤を重ねた結果、思い描いた通りの魚が釣れた瞬間。それはまさに『答え合わせができた!』という感覚で、その時の喜びといったらないですね。毎日が想像と発見の連続なんですよ」と熱く語ります。
富士の湧水の里・忍野に拠点を移して11年。水温が安定している忍野では1年を通して虫が発生するため、時季を問わず最高の釣りを楽しめるといいます。「忍野は、日本が世界に誇る素晴らしいフィールド。ビギナーにこそ、ぜひ体験してほしいですね。まずは気軽にトライしてみてください。絶対に後悔はさせませんから(笑)」。
常に100種類近い毛針を携え、釣りに挑むという渡辺さん。「思い描いた魚が釣れた瞬間は、答えがピタリと合った最高の気分」。
透明度の高い忍野の桂川では、魚を目で確認しながら釣るサイトフィッシングを楽しむことができます。
渡辺さんが経営するフライショップは、桂川から車で5分ほど。さまざまなフライグッズを購入できるだけでなく、レストランスペースで寛ぐことも可能。釣りについての相談にも乗ってくれるので、ぜひ気軽に立ち寄ってみて。
フライフィッシング界にその名を轟かせるスペシャリスト。1979年にフライフィッシングを始め、1999年には忍野にフライショップ「River’s Edge」を開店。初心者〜中級者対象のスクールを開催するほか、近年では周辺の環境保全にも熱心に取り組む。フライの奥義を解説したDVDにも、多数出演。
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