Vol.16 「いつの日か、 自分だけの富士山を撮りたい」|人々|ライフスタイル&グルメ紹介|富士山・山中湖の別荘ならフジヤマスタイル

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Vol.16 「いつの日か、 自分だけの富士山を撮りたい」|人々|ライフスタイル&グルメ紹介|富士山・山中湖の別荘ならフジヤマスタイル

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自らの手で大地にふれ、生命を慈しむ。ここには、都会では得がたい「実感」がある。

山中湖の湖畔から少し入った緑あざやかな森の中に、周囲の季節に溶けこんでいるかのような小さな写真ギャラリーがあります。

山中湖写真ギャラリー&ガーデンカフェテラス。

ドアを開けて中に入ると、まず真っ先に来客を迎えてくれるのが、壁一面に並んだ世界のアーティストたちのポートレイト。

渋く斜に構えたオーソンウェルズ。にこやかに微笑むのはマイケルジャクソン、モーリスホワイト、ジョンデンバー、それにカークダグラス、シルビアクリステル・・。

雑誌やテレビで見知った数え切れないほどの肖像のいずれもが、このギャラリーを主宰する冨塚晴夫氏の作品です。

ハリウッドを舞台に数々の写真をお撮りになられてきた冨塚氏に、はや25年を数える山中湖でのライフスタイルについてお伺いしました。

氏が学校卒業後アメリカに渡ったのは、 写真のすべてを学びたいという若き志から。 当時はどんな想いで作品を撮っていたのでしょう。

写真を多角的に学ぶために、世界的にも著名な建築写真家ジュリアスシュルマン氏に師事したんですね。師事といってもいわば押しかけの内弟子ですよ。(笑)

そこで自ら写真を学び、力を着けていくうちに、少しずつ広告の仕事の依頼が入り始めたんです。当時の日本の広告業界では、ハリウッドの著名人を登場させる作品が多かったですから、現地に住んでいるカメラマンとして重宝がられたんでしょうね。

このギャラリーに並んでいる写真も、ほとんどがそうした中で撮影した作品なんですよ。その後40歳を前に、日本で写真をやろうと帰国したんですが、その時いちばん考えたのが「どこに居を構えるか」でした。私は平塚生まれで、幼い頃から富士山を見たり描いたりして育ったので、どうしても富士山の近くに住みたかったんですね。でも雑誌の撮影や広告の打合せなどで頻繁に東京に出ていたので、交通の便も考える必要がある。そこで白羽の矢を立てたのがここ山中湖だったんです。

富士山に魅せられたきっかけは、一枚の写真。

人物撮影のプロフェッショナルとして、 数多くの雑誌の表紙や広告をご自身の作品で 飾ってきた冨塚氏。 そこから富士山と風景の写真に傾斜していったのは何かきっかけがあったのでしょうか。

富士山というものに魅せられたのは、広告の素材として撮影したある作品がきっかけでした。このギャラリーにも飾ってあるんですが、赤富士に雲が浮いている作品です。

この作品を撮った時に、「富士山という山はただものではないな」と改めて手応えを感じたんですね。そこで山中湖に住んでいることもあり、本格的に富士山と風景写真を撮ってみようかと。このギャラリーも、富士山の写真と本物の富士山を同時に堪能できるギャラリーとして展開してみたいというところからスタートしているんです。それも美術館風のギャラリーではなく、アメリカの古家具がある部屋に溶けこむように、作品がさりげなく展示されているような居心地の良さを創りたかったんです。

誰もが撮りたいと思うのが富士山。でもだからこそ、そう簡単には撮らせてくれない。

山中湖に暮らしながら、日々お撮りになっている富士山の魅力とは何でしょう

(冨塚氏)

きっと富士山を見ると誰もが「美しいその姿を撮りたい」と思うんですよね。富士山にはカメラマンでなくとも魅了する力があるんです。でもこれだけ象徴的で存在感のある山ともなると、作者の個性なんて、山の存在感の前に打ちのめされちゃうんですよ。そう簡単には、いわゆる自分だけの作品にならないんです。

「冨塚ならではの富士山の写真」。そう呼ばれる作品をいつか撮りたいと思っているんですが、なかなか撮らせてもらえない。そこが挑戦のしがいでもあり、何度も挫折させられる要因でもあるんです。(笑)

今でも時に、人物や静物の撮影に戻ろうかと悩むこともあるんです。それが富士山という偉大な存在に挑む上での壁なんでしょうね。

この写真ギャラリーを一緒に運営されている 奥様も風景写真家としてご活躍されていますが

私は若い頃からカメラが趣味で、湘南の海などを撮り貯めていたんですが、たまたま山中湖に撮影に来た時に主人を紹介されたんです。その後主人の写真教室に通うようになってますます写真にのめり込んで、今では作品はもっぱら山中湖の風景写真になりました。

私にとっては主人が師匠でもあり、また一緒にギャラリーを運営するパートナーでもあり、なんです。

同じ道を選んでいるからこそ互いに深い部分で支え合える点もありますが、クリエイターとしての意見が食い違うこともよくあるんですよ。(笑)ただ私の作品が、かなり主人の作風に似てきているのは否めないんですが。(笑)

(冨塚氏)

私が富士山を中心に据えた作品を撮るのに対して、彼女の作品は山中湖や富士山周辺の自然を題材にしたものが多いんです。その意味ではバランスが取れているのかもしれません。

それと富士山は一瞬で表情を変えていくので、二人で撮っていると、その一瞬を違う角度から写真に収められるというメリットもありますね。

私は長く裾野をひいた稜線の美しさの中に富士山の魅力を求めることが多いのですが、彼女はまた違う富士山の魅力を見つけている。

これからもそんな風に、二人して違う富士山を撮って行けたらいいなと思っています。

「いつの日か、 自分だけの富士山を撮りたい」

「いつの日か、 自分だけの富士山を撮りたい」

冨塚 晴夫氏

Profile 冨塚 晴夫氏

日本写真家協会会員・新写真派協会会員

1947年神奈川県平塚市生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後渡米し、建築写真家ジュリアスシュルマン氏に師事。ハリウッドにて広告写真スタジオを設立。オーソンウエルズ、マイケルジャクソンをはじめ数多くの俳優、ミュージシャンを撮影。17年間の米国生活の後、帰国し、山中湖に居を移す。1997年山中湖写真ギャラリーを設立。国内外で精力的に個展を開催。

冨塚 裕子氏

Profile 冨塚 裕子氏

日本写真協会会員

千葉県鴨川市生まれ。青山学院大学文学部フランス文学科在学中にドイツ留学。大学卒業後、マスコミ関係・インテリアコーディネーターに従事。1991年風景写真の撮影を始め、写真個展「心にしみる風景」「湘南物語」「海の物語」などを開催。その後山中湖に移り住み山中湖写真ギャラリーの運営に携わる。2009年東京六本木ミッドタウンにて個展「朝な夕なに〜山中湖日記〜」を開催。新聞雑誌などに写真提供の傍ら、写真教室講師も務める。

山中湖写真ギャラリー&ガーデンカフェテラス

  • 営業時間 9:00〜17:00
  • 定休日 水曜日

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