HOME > ライフスタイル&グルメ紹介 > 人々|Vol.19 山梨県立富士湧水の里水族館へ、「夏の涼」を訪ねて
緑濃い林間にひっそりとした静けさをたたえる山梨県立富士湧水の里水族館。まさに「森の中の水族館」の名にふさわしい、深い自然に溶けこんだ佇まいです。
館内に一歩入ると、そこは限りない透明感と圧倒的な水の量感に満たされた、青の世界。澄みきった富士の湧水の中を、美しい大小無数の魚たちが悠々と泳ぐ姿に、重力を忘れたかのような軽い浮遊感さえ感じられます。
ひんやりとした涼感を楽しめることから、夏の癒しのスポットとして多くの人々を惹きつけてやまないこの国内有数の淡水魚水族館で、飼育・企画をご担当されている加藤さんをお訪ねし、水と魚の魅力についてお話を伺いました。
「私たちの身近にいる魚や生き物たちの姿を通して、少しでも身の回りの自然に親しんでいただくことで、大きな環境について興味を持っていただけたら、と思っているんです。」そう仰る加藤さんはこの水族館の飼育主任として、魚たちの飼育はもちろん、各種催事の企画やお客様へのガイドなどまでを広くご担当されています。
山梨県立富士湧水の里水族館は、山梨県の河川や湖沼などの水環境の豊かさや、その大切さをより多くの方に知ってもらおうと、2001年4月に忍野村にオープンした全国でも珍しい淡水魚専門の水族館。
富士の湧水を利用した透明度の高い水槽には、川の源流・上流・中流に棲む魚たちが、それぞれの生育環境に合わせて飼育展示され、まるで空を飛んでいるかのような魚たちの姿を楽しく観察することができます。
加藤さんは埼玉県のご出身。幼い頃から身近な田園や小川の魚たちとふれあうことに夢中になって育ったのだそうです。「魚を捕まえるのが一番の楽しみでしたね。友だちと一日中、フナやオイカワを追いかけて遊んでいました。」
そんな少年時代を経て学生時代は魚の生態や飼育について学び、この水族館で飼育担当となって4年。数多くの魚たちの健康とコンディション、そして見ていただく方にどう楽しんでいただくかに、日々細心の注意を払っています。
昔は当たり前だった自然が年々少なくなっていく中で、ここ忍野に残っている里の自然環境はとても貴重なものになってきている。だからこそ多くの方にその楽しさを知っていただくことで、人を取りまく環境の大切さを感じる契機にしてほしい、と仰います。
今でも休日の大半は、学生時代の仲間や水族館のお手伝いに来られるボランティアの方々と、あちこちの川に出かけてのフィールドワークに費やしているという加藤さん。
「魚のことをもっと知りたい」という少年時代の想いを、大人になった今も、より深くより専門的に追求しつづけています。
意外かもしれませんがマス類の魚は魚食性が高く、大きな魚は小さな魚を補食してしまいます。メイン水槽である二重回遊水槽はこの課題をクリアするため、ドーナツ型の二重水槽となっており、内側水槽には小型魚が、外側水槽には大型魚が遊泳しています。この二重の水槽を重ねて見ることで、来場者は大型魚と小型魚が混泳する姿を楽しめるように工夫されています。
富士湧水の里水族館で使用している水は、富士の湧水。限りなく美しい水質を誇る良い水なのですが、魚種にはそれぞれ最適の水温があるため、数多くの魚種を飼育すればするほど、水温の微妙な調整が難しくなるのだそうです。
「魚が好きだからこそ、魚のコンディションはつねに良い状態にしてあげたい。その一方で見る方には、その魚の魅力をできるだけ楽しんでもらいたい。この2つのバランスを高いレベルで実現することが日々の課題なんです。」と話す加藤さん。魚と自然を慈しむあたたかな想いを湛えた、優しい眼差しがとても印象的でした。
湧水の里水族館では魚の展示の他、自然や魚に関する講演会や、生き物教室、また実際の忍野の川に出ての魚取りや釣り体験など、季節ごとに、ご家族皆さんで参加できるさまざまなイベントも開催しています。
水族館で魚に興味を持ったら、今度は、自然の川の持っている本当の楽しさや豊かさをぜひ体感してみてはいかがでしょう。
埼玉出身。幼い頃から魚や自然に親しみ、魚の生態や飼育を学ぶ。現在は森の中の水族館で飼育主任として、生体飼育・管理、来場者へのガイド、各種催事の企画などを幅広く担当している。
山中湖:0120-232-236
十里木:055-998-1212
受付時間9:00〜18:00(土日祝も営業)
別荘に関するご質問・ご相談は、お気軽にお問い合わせください。携帯もOK。
次の休日に見学に行こう
お時間に余裕がある方は是非一度現地までお越しください。
資料請求はこちらから
興味のある別荘を見つけたら、無料でカタログをお送りします。