HOME > ライフスタイル&グルメ紹介 > 人々|Vol.27 沖縄独自の文化と歴史の広がり 世界遺産の史跡・グスクの数々からそれを読み取ってほしい
「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の名称で、2000年に国内9番目の世界文化遺産登録を果たした沖縄の世界遺産。首里城跡を始め、今帰仁城跡や識名園など7つの遺跡と、玉陵・園比屋武御嶽石門の2つの記念工作物によって構成される遺産群を取り巻く環境は、今どのような状況にあるのでしょうか。
「世界遺産の登録はとても大きな効果がありました。登録以前の沖縄に所在する世界遺産への来訪客は、年間で約236万人ほどでしたが、現在では約350万人(2013年度)にまで増加しています。沖縄の知名度と魅力が国内外に広まっているのは純粋に嬉しいですね。」
また、地域住民に自分たちの文化を誇り守ろうという気運が生まれたことも大きいと金城さんは仰います。登録後は城跡を活用した地域イベントや、自治体によっては独自の教科書で琉球史を教えるなどの取り組みも活発になっているそうです。
しかしその一方、史跡の価値を後世に伝える保全の取り組みも重要になっています。
「まず課題となるのは沖縄の気候です。絶えず強い日差しにさらされ、雨量や湿度、台風の襲来など、史跡にとっては厳しい環境ですからね。」
城跡の石垣の補修など史跡そのものの整備は言うまでもなく、さらに沖縄全体の社会的課題として考えるべき点もあるのだそうです。
「以前、那覇市内に高層タワーマンションの計画が持ち上がりました。緩衝地帯内ではないので法的な問題はないのですが、丘陵上にある首里城よりも高い建物となってしまうことからその景観が問題となり、地域住民が計画の見直しを求める声が挙りました。」
ますますの地域発展と、世界遺産の価値の保全。ともに重要なこのバランスをどう調和させるかが、これからの課題なのだそうです。
単なる観光スポットではなく、世界遺産の価値をより深く鑑賞してほしい。それが金城さんの願い。
「南城市にある斎場御嶽は、琉球王国にとって最高の聖地で古くから多くの人々が参拝に訪れていました。この地への来訪客は当時年間1万2千人ほどでしたが、世界遺産登録後はこれが約43万4千人(2013年度)まで急増しました。当然過剰利用となり、駐車場はあふれ道路は渋滞を引き起こします。また霊力のある聖域(パワースポット)の一つとして訪れる方との認識の違いからマナーの問題も生まれてきました。」
駐車場などの周辺環境を整備した上で、斎場御嶽ではすべての来訪客に紹介映像を見てもらう仕組みを導入したことにより、様々な問題が大幅に解消されたそうです。
「富士山と沖縄とは異なる部分もありますが、社会の変化に柔軟に対応しつつ、遺産の価値を守る仕組みづくりを図るという点は共通だと思います。ともに世界に誇る日本の宝として、ぜひその価値を後世に伝えていけたらと願っています。」
沖縄県教育庁文化財課 記念物班 世界遺産・史跡・名勝担当
高校教師を経て、現在は県教育庁で世界遺産を始めとする史跡の保全と環境整備を担当。ご自身を含めた沖縄県民自身が自らの歴史と文化に誇りを持ち、多くの方にそれを伝えていけるよう、数々の計画立案に携わっている。
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