この春、国内の強豪チームとの激戦を制し、初の日本代表の座を射止め、カナダで開催された世界選手権への出場を果たした女子カーリングの「チーム富士急」。

2010年の創設以来、「山中湖を日本のウィスラーにしたい」との想いで故・小林宏氏が私財を投じて完成させた関東唯一の通年カーリング施設・カールプレックスフジをホームグラウンドに、戦略眼と技術に磨きをかけながら、国内トップチームとしての確かな地歩を固めてきました。

「この地をチームの拠点にしてから約8年。カーリングチームとしてゼロからスタートしましたが、地域の方々にも少しずつカーリングというスポーツの認知やその魅力が浸透してきていると感じます。今回私たちが日本代表の座を競った長野や北海道の強豪チームはいずれも国内で長い歴史と土壌を持った地域のチーム。そんなチームに互して覇を競い世界選手権に初出場できたのも、山中湖のカーリング文化の広がりや地域の皆さんの力があったからこそだと思っています」と西室コーチ。

「自分たちの力をさらに高めていくためには、よりレベルの高いチームと競い合う経験はとても重要です。その意味でも今回の世界選手権出場は、私たちがさらに上をめざすうえで貴重な経験になりました」とスキップの小穴選手は語ります。

さらなる高みへの挑戦。そしてその先には、2022年の北京オリンピックが。

5月には、平昌オリンピック銅メダリストのLS北見を相手取った頂上決戦を控えているチーム富士急。その先にはパシフィックアジア選手権、そして2022年の北京オリンピックへの道が待っています。

「今回の世界選手権出場の経験を通して、世界のトップチームとの違いを体感したことで、これからのチームの課題を見つけることができました。この課題を着実にクリアしながら、世界で闘えるチームへとさらに力を身につけていきたいです」と小穴選手。メンバーの皆さんにも、それぞれ日の丸を背負って闘う五輪へと挑む意気込みを語っていただきました。

「再び日本代表として世界の舞台に立つためにも、まずは目の前のことから一つ一つ、これまでに学んできたことをしっかり生かしていきたいですね（ 石垣）」。「何よりも重要なのは結果を出すこと。つねに自分のパフォーマンスを発揮できるよう集中して取り組んでいきます（小谷有）」。「世界で感じたことを生かして自らを修正し、アイスの上で表現する。その積み重ねで次が見えてくると思っています（小谷優）」

冬の北京を舞台に、山中湖で生まれたチーム富士急が鮮やかに躍動し、日本中を熱気で包むその日を心待ちにしたいですね。