内なる自分を感じて。山中湖でたましいと向き合う

自分の道を求めて

26年間を海外で過ごしてきた理恵子さんは、「私立の進学校に通っていましたが、自分が何になりたいかわからないまま、日本で大学進学することが自分の道とは思えず、高校卒業後、親戚を頼りに、日本を飛び出し一路カナダへ向かいました。今思えば、若気の至りですね。でも深いところで導かれていたと思います」と渡加のきっかけを振り返ります。

バンクーバーの大学へ進学し、経済やビジネス、社会学など様々な学部に興味を惹かれましたが、最終的に心理学を専攻。卒業後は現地の旅行会社でツアーコーディネーターとして働き始めたそう。「カナダはアウトドアが盛んで、私もアクティブにスポーツ・楽器とたしなみ、予定は常にぎっしり！はたから見れば充実した日々を送っていましたが、どこか満たされない気持ちを抱えていました。ある日、アーティストの友達が感性のままにキャンバスに向かう姿を見て、人の“内”から溢れるエネルギーに魅了されたのと同時に、私の“内”には何があるのだろうと考え始めたのが、内なる自分、魂と向き合い、後に純粋瞑想と出合うこととなる第一歩でした」

僕導びかれた道

カナダでフルタイムで働きながら、クライシスライン（いのちの電話）や精神病者の支援などのボランティア活動に励むうちに、社会福祉学を学びたくなり再び大学に入学した理恵子さん。精神病院での実習で、薬物・アルコール中毒の患者たちが抱える課題や背景、人種差別の実状を目の当たりにしました。卒業後、政府児童相談所でソーシャルワーカーとして働くうちに、「治療やカウンセリングだけでなく、ホリスティック（全体的）な視点から人を見つめ助けたい」と思うようになりました。

そしてヒーリングや、瞑想、ヨガに興味を持ち、悟りを開いたマスター Mata Yogananda のもとで本格的に学びました。あるとき、夢の中で「将来自分は日本へ真実とスピリチュアルな教えを持ち帰る」とはっきりとした啓示があり、２０１５年に家族で日本へ移住したのです。

直観で山中湖へ

一般的な観光地の賑やかさとは対比的な閑静な森林地に「Pure Meditation Japan」はあります。長いエントランスを抜けると、鮮やかな木々の揺れと鳥のさえずりに包まれた１０００坪の庭園が広がり、自然と深呼吸をしたくなる清らかな空気感が漂います。「東京出身の私にとって縁もゆかりもない地でしたが、この地に降り立った瞬間、言葉では表せないフィーリング、「ここだ」という直観がありました。霊峰と呼ばれる富士山の存在や四季折々の景観など、その心地よさを訪れる方々も感じ取っていて、改めてリラックスやリセットに適した理想的な場所だったと直観的な導きに感謝しています」と、山中湖を選んだ意味を話す理恵子さん。

隠れ家的な同施設では、日帰りで体験できる瞑想入門やバランスを整え癒すヒーリング、そして古代から伝わる真の瞑想法を現代の人が習得できる形で提供している純粋瞑想コース（１週間滞在型プログラム）などがあります。家庭料理の温もりを感じるベジタリアンの食事も喜ばれ、心の平穏を求める人々がリトリート（※１）体験をしに、「Pure Meditation Japan」を訪れます。

※１ 数日の間、普段とは違う環境に身を置き、疲れた心や体を癒す過ごし方。観光目的の旅行とは違い、日常を忘れてリフレッシュすることを目的とする。

非日常での経験を日常へ持ち帰る

理恵子さんの教える純粋瞑想では「すべては自分の内にある」ことを学べます。そのため、Doingだけでなく、Being ～ 自分の存在、魂とのつながりを大切にして、日常生活でスピリチュアルな教えを実践し、内に埋もれてしまった安らぎや愛、喜びを見つけ、バランスよく生きる方法を示します。純粋瞑想は世界数ヶ国で教えられています。

「若き日の私は全速力で突っ走り、瞑想ではなく暴走をしていた状態。純粋瞑想を実践し、自分を深く理解したことで生きやすくなりました。同じように、日々に疲れたり、自分を見失っている方々が、生きる上で役立つ知識やテクニックを得て、ご自身の生活や人生の糧にしてもらえたら嬉しいです」と理恵子さんはほほ笑みます。

情報過多な現代において、安らぎを求めている人は少なくないはず。かつての理恵子さんがそうだったように、急く日々から少し歩みを緩めて、内なる静けさを取り戻してみませんか。この山中湖で。