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山中湖・富士山で趣味を極める2015 / 10 / 01
【ワイン】「本物」を味わうための二つのこだわり
「知的好奇心をくすぐるお酒」とも言われるワインは、温度や空気に触れることで風味や色、香りなどが変化するデリケートな飲み物です。フランスには「La vérité est dans le vin(真相はワインの中にある)」という言葉がありますが、それほどワインは奥が深いものであり、底知れぬ魅力と世界観を備えているということでしょう。
それゆえに、高級な銘柄のワインを買っただけでは「本物とは何か」を知ることはできません。富士山麓で大人の趣味や上質な時間の過ごし方について考える当コラム、今回は高級ワイン・一流ワインの本質を味わうためにこだわりたい二つのポイントについてご紹介します。
本物を作る葡萄の品種
ワインの品質を決定づける要素はワイナリーにおける醸造プロセスの中にいくつも存在しますが、結局のところ、最も重要なのは原料となる葡萄の品質であると言われています。以下は、世界的に品質が高いことで知られる葡萄です。
赤ワイン
●カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)
高級品種の代表として世界的に知られる、フランスのボルドーを原産地とする品種です。タンニンが多く含まれるので、芳醇でコクが深いワインが作れます。熟成して飲み頃に達するまでに10年から数十年を要する、長期熟成型の品種です。
●シラー(Sylrah)
南仏のコート・デュ・ローヌ地方を代表する、紫色を帯びたガーネットカラーの品種です。渋味が強めなので力強い味わいとなりますが、口当たりがフルーティーなので飲みやすいのも特長。小粒で皮が厚い葡萄からぎゅっと凝縮された、濃厚な味と香りを楽しめます。
●ネッビオーロ(Nebbiolo)
イタリア北西部のピエモンテ州やロンバルディア州で生産される黒葡萄。非常に重厚な味わいから「最高級赤ワイン」「赤ワインの王様」などと称されるバローロやバルバレスコといった銘柄は、ネッビオーロから作られます。
●マルベック(Malbec)
数ある葡萄の中でも際立った個性を持つ品種がマルベックです。「黒ワイン」と呼ばれるほど色が濃く、若いワインの場合はバイオレットのような強い香りを醸し出します。フランス南西部を起源とする品種ですが、近年はアルゼンチンで人気の銘柄となっています。
白ワイン
●セミヨン(Sémillon)
フランス・ボルドー産で、甘美な風味と希少性の高さから人気の「貴腐ワイン」を作る代表的な原料です。華やかな香りと繊細な口当たりが特長ですが、酸味が乏しいために他の品種を少量混合して上質なバランスに仕上げるのが一般的です。
●シャルドネ(Chardonnay)
緑色の果皮を持つ、代表的な高級品種。葡萄自体にはっきりとした個性がない分、気候や土壌の違いによってさまざまな表情を見せてくれます。黄金色の見た目には高級感があり、シャルドネ100%のスパークリングワインには高値が付くものが多数あります。
●リースリング(Riesling)
ドイツのライン川沿いやフランスのアルザス地方で多く栽培されている白葡萄です。花のように上品な香りと口当たりの良い甘味が特長で、ドイツワインの最高峰とも呼ばれる銘柄「トロッケンベーレンアウスレーゼ」はこの品種から作られます。
●甲州
カスピ海沿岸からシルクロードを通って伝来し、山梨県に定着したとされる日本が誇る固有品種です。酸味・渋味・香りに強烈な主張はありませんが、その分味わいに繊細さを感じることができます。「和食に合うワイン」として、世界的にも人気が高まっています。
ワイングラスで味が変わる
ワイングラスと言えば無色透明で丸みがあり、脚が付いたものをイメージされると思いますが、実はワイングラスにもさまざまな種類があります。個性の異なるワインを楽しみたいなら、個性が最大限に発揮されるワイングラスで飲むことをおすすめします。舌の中で甘味・辛味・苦味・酸味を感じるポイントは異なり、口に入れたワインが舌のどの部分に触れるのかによって味の感じ方が変わってくるからです。同じように、香りの感じ方もグラスの形で決まってきます。
ボルドー
渋みの強い赤ワインを飲むのに適したグラスです。緩やかな丸みを帯びたボウルは大きめにできているので香りが広がりやすく、舌の上でワインが横に広がっていくので、渋味をマイルドにしてくれます。
ブルゴーニュ
ボウルの底の部分が大きく膨らんでいるタイプのグラスです。ボルドーよりワインが空気に触れる面積が大きいため、香りが強くない渋めの赤ワインを飲むのに適しています。シラーやネッビオーロがおすすめです。
シャンパーニュ
ボウルが細長く、文字通りシャンパンを飲むのに適したグラスです。ボウルが細長いのは、ワインが舌先を直線的に流れいくことで酸味を感じやすくするため。注ぐ部分に高さがあるのは、シャンパンの炭酸を美しく見せるためだとされています。
モンラッシェ
ブルゴーニュよりボウルが小ぶりで球形に近いグラスです。果実感の強い白ワインに適しており、ボウルが丸いため香りを引き出しやすくなっています。ワインが舌先で横に広がっていくため、酸味や果実味をバランスよく感じることができます。
ワインの中の"真相"に出会えるイベント
秋は葡萄の季節、そしてワインの季節です。愛好家をもうならせる上質なワインを堪能したいなら、葡萄の品種にもワイングラスにもこだわってみてください。目で、鼻で、舌で、五感を使って嗜めば、ワインの中にある"真相"にきっと出会えるはずです。
日本有数のワイン生産地として知られる山梨県では、毎年この時期になると「山梨ヌーボー祭り」が行われます。山梨ヌーボー祭りとは、日本が世界に誇る品種「甲州」とマスカット・ベーリーAを混ぜて作られた新作ワインのこと。2015年は11月3日に日比谷公園(東京都千代田区)で、11月14日と15日に山梨小瀬スポーツ公園(甲府市)で新酒が解禁されます。県内ワイナリーで作られた60以上の銘柄を味わえるので、一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
山梨ヌーボー祭り
開催日: 11月3日(日比谷公園)/11月14日・15日(山梨小瀬スポーツ公園)
開催時間: 11:00〜15:00(日比谷公園)/10:00〜15:30(山梨小瀬スポーツ公園)
条件: 雨天決行(ただし台風などの荒天の場合は中止)