【レジャー】夏の富士山麓で「鳥」になる方法|フジヤマクロスロード

山中湖・富士山で趣味を極める2016 / 06 / 16

【レジャー】夏の富士山麓で「鳥」になる方法

白化粧をまとった神秘的な立ち姿が「冬富士」の魅力ならば、岩々が剥き出しになった「夏富士」の魅力は雄々しさや荒々しさ、圧倒的な存在感にあります。夏の富士山とどこまでも突き抜ける青空、そして爽快な風を全身で感じたいなら、地上ではなく「空」がおすすめです。

富士山麓で大人の趣味やライフスタイル、上質な時間の過ごし方について考えるこのコラム、今回は「夏の富士山麓で『鳥』になる方法」についてお話をしていきます。

その1 ハンググライダーで鳥になる

ハンググライダー(hang glider)は、操縦者が吊り下がった(hang)状態で動力がない飛行機=グライダー(glider)に乗り、滑空するスカイスポーツです。操縦者は、20kgから40kg程度のグライダーを持ったまま斜面を駆け下りてジャンプ。向かい風を受け、上昇気流をつかまえながら機体をコントロールして飛行します。巡航速度は20km/hから40km/hほどですが、上級者になると100km/hを超えます。

ハンググライダーの魅力

グライダーに吊られたうつ伏せ状態で滑空するので、まさに鳥のように眼下の景色を俯瞰できます。グライダーに直結したコントロールバーで翼を自分の腕のごとく操り、風を感じて飛行する感覚は、他のスカイスポーツにはない魅力と言えるでしょう。夏のハンググライダーは爽快のひと言に尽きます。

ハンググライダーの免許について

法律上、免許・資格を取得する必要はないということになっていますが、多くのフライトエリアでは公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟のライセンス(技能証)携行と登録が義務づけられています。体重が40kg以上あり、一定の体力と理解力があれば小学生でもフライトが可能です。

技能証取得の流れ

まずはグランドハンドリング(地上練習)で離着陸時のバランスの取り方やグライダーの操縦法を身に付けます。

ウインチでワイヤーを巻き、凧揚げのように機体を浮かすトーイングフライトで、繰り返し低空飛行訓練を行います。

インストラクターと2人でタンデムフライトを行います。10~20日程度繰り返します。一定のフライト技術が認められれば、JHF-A級・B級技能証取得となります。

ソロフライトに移行します。無線機によるインストラクターの誘導指示を受けながら単独で飛行します。40回以上の飛行経験を積んだらJHF-C級技能証が取得できます。

さらに飛行経験を積み、学科試験に合格するとJHF-P級技能証が取得可能に。JHF-P級に合格した後はさらに、2人乗りが可能なTD(タンデム)証や長距離飛行が許されるXC(クロスカントリー)証、教員証などを取得できます。

 

 

その2 パラグライダーで鳥になる

パラグライダー(Paraglider)は、スポーツ用に開発されたキャノピーと呼ばれる長方形状のパラシュートを広げて滑空するスカイスポーツ。ハンググライダーよりも装備が軽く(15~20kg程度)、持ち運びも容易なことから、最も競技人口が多いスカイスポーツです。巡航速度は30~40km/h程度で、こちらも十分なスピードを感じられます。

パラグライダーの魅力

パラグライダーは椅子型の操縦席に座り、両手で操縦桿を動かすだけなので、操作も比較的簡単です。ハンググライダーより楽な体勢で飛行でき、広い視野でダイナミックな眺望を独り占めできます。一昔前のパラグライダーは「ゆっくり降りるだけ」でしたが、現在はキャノピーの滑空性能が向上したため、上昇気流をうまくとらえれば何百mも上昇することが可能になりました。/h程度で、こちらも十分なスピードを感じられます。

パラグライダーの免許について

こちらも航空機ではないので資格は不要ですが、単独飛行をするなら公益社団法人日本ハング・パラグライディング連盟が認定するスクールやクラブで知識・技術を身に付け、ライセンス(技能証)を取得した上でフライヤー登録を行う必要があります。/h程度で、こちらも十分なスピードを感じられます。

技能証取得の流れ

地上でパラグライダーの扱い方や装着後の走り方などを身に付けます。その後、実際に平坦な場所でキャノピーを広げて助走練習をします。

斜面でキャノピーを広げ、離陸の訓練をします。ここで浮遊のコツをつかみます。

単独で機材を扱え、直線飛行ができるようになればJHF-A級技能証を取得できます。

単独にてS字飛行(左右180度に旋回)ができ、かつ着陸できる技術を習得したうえで基礎的な理解を問う学科検定に合格すれば、JHF-B級技能証を取得できます。

単独で360度旋回ができ、指定場所から半径20m以内に着陸できる技術を習得したうえで、応用理解や気象に関する学科検定に合格すればJHF-NP(ノービスパイロット)技能証を取得できます。

ソアリング(上昇気流を利用した長時間飛行)の技能や指定されたルールや気象条件に適った飛行が行え、かつ航空法規や気象などを問う学科試験をクリアすればJHF-P(パイロット)技能証を取得できます。

さらに飛行経験を積み、学科試験に合格すれば、2人乗りが可能なTD(タンデム)証や長距離飛行が許されるXC(クロスカントリー)証、教員証などを取得できます。

 

 

日本一高い展望台からの眺望は?

標高3776mの富士山は「日本一高い展望台」と言われることがあり、計算上、その高さからは約230km先まで見渡せるとされています。もしかしたら日本アルプスの山々や東京都心のビル群を超えて、琵琶湖や房総半島の姿を見ることができるかもしれません。ハンググライダーやパラグライダーのライセンスを取得し、富士の高嶺と同じ目線から絶景を独り占めにする――これぞ、夏富士の魅力を存分に味わえる「大人ならではの趣味」と言えるでしょう。

ライセンスを取得できる主な施設

忍野スカイスポーツ倶楽部

住所: 〒401-0512 山梨県南都留郡忍野村内野2661(山中湖近く)

TEL: 0555-84-7561

URL: http://www.oshinoskysports.com/index.html

アサギリ高原パラグライダースクール

住所: 〒418-0101 静岡県富士宮市根原282-1(富士山の西側)

TEL: 0544-52-1031

URL: http://www.asagiri-para.com/