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山中湖・富士山で趣味を極める2016 / 10 / 13
【料理】山梨県の隠れた魅力?秋はジビエの季節
秋の楽しみと言えば、何と言っても旬の味覚。サンマや栗、松茸などを楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?海なし県の山梨ではこの時期、山菜やきのこ、フルーツなどが旬を迎えます。その中でもぜひ味わっていただきたいのが、近年は首都圏でも専門のレストランが続々と登場している「ジビエ」。今回のフジヤマクロスロードでは、美味しいジビエを心ゆくまで楽しむための情報をお届けします。
話したくなるジビエの基礎知識
ジビエが高級食材である理由
「ジビエ(gibier)」は、狩猟で捕獲した野生鳥獣の食肉を意味するフランス語です。フランスでは古くからある高級食材で、かつては鮮度の問題から、自分の領地で狩猟を楽しめる上流階級の貴族しか口にできないものでした。現在は野生の風味を楽しめる食材として広く親しまれるようになりましたが、それでも贅沢品であることには変わりありません。野山を駆け巡った獣たちの肉は脂肪が少なく引き締まっており、噛めば肉本来の力強い旨味がお口の中にジュワッと流れ込んできます。
ジビエが高級食材である理由のひとつに、狩猟の難しさが挙げられます。動物のハント自体が難しいのはもちろんですが、銃弾によって可食部が大きく損なわれたり、内臓を傷つけて味を悪くしたりしないように、「狩り方」にも技術が必要なのです。
秋のジビエが美味しい理由
一般的に「食肉は年中楽しめるもの」というイメージがありますが、これは畜産の話。天然の食材であるジビエは、秋が旬となります。秋のジビエが美味しい理由は、野生の鳥獣は冬に備えて体に栄養を蓄え始めるからです。冬に入るとエサになる食べ物が減って肉質が落ちてくるため、年が明ける前くらいまでに狩ったものが「食べ頃」とされています。
近年では、ジビエを安定供給する難しさや鳥獣の減少などから、飼育した獣を野に放つ「半野生」のジビエも存在しますが、こちらもやはり旬は秋です。なお、鳥獣によっては春の繁殖期にも味が良くなるとされていますが、鳥獣保護の観点からその時期の狩猟は認められていません(日本では11月半ばから翌年2月半ばまで狩猟が解禁となります)。
覚えておきたいジビエの種類と特徴
狩猟の対象として許可されている鳥獣はすべて「ジビエ」であり、日本でポピュラーなジビエと言えばイノシシやシカ、キジ、クマ、山ウサギなどが挙げられます。また、国産だけでなく輸入のジビエも流通しており、そのほとんどが本場フランス産です。輸入のジビエには、真鴨(コルベール)や山ウズラ(ペルドロー)、特に珍重されている山シギ(ベカス)などの種類があります。
イノシシ
日本のジビエ料理の代表格と言えばイノシシ。農作物を食い荒らす食害があるため狩猟が積極的に行われており、その肉は非常に美味です。脂がよく乗っているのですが、豚の脂と違ってしつこくなく、さっぱりいただけます。寒くなってきてからのイノシシ鍋(ぼたん鍋)は絶品です。
シカ
シカ肉は一般的な食肉よりも脂肪が少なく、赤身の旨味が楽しめるヘルシー食材として注目を集めています。鉄分が豊富で、貧血や冷え性の予防にも効果的なため、女性にも人気です。ヨーロッパでは古くから親しまれている食材で、シチューやワイン煮などが有名です。
クマ
クマ肉には「獣臭い」というイメージがあるかもしれませんが、血抜きや管理などをしっかり行えば臭みは強くないので、料理人の腕が問われるジビエと言えるかもしれません。旨味が強く、それでいて脂身はサラッとしており、特に汁物との相性は抜群です。
キジ
キジ肉は臭みが少なく、濃厚なうまみとしっかりした歯ごたえが楽しめます。鶏肉に比べるとタンパク質が豊富で脂肪が少なく、カロリーは半分ほどというヘルシーな食材です。ソテーにしても、お鍋にしても美味しくいただけます。
山ウサギ
ウサギは鶏と同じく「1羽」「2羽」と数えますが、ウサギの肉も鶏に似た味わいがあります。フレンチやイタリアンではメジャーな食材で、癖がなく低カロリーなのが特徴。どのように食べても美味しいですが、ウサギの出汁は甘みが強いので、特にスープはおすすめです。
美味しいジビエとそうでないジビエの違い
美味しいジビエは、まず「旬の時期に獲れたもの」であることが重要です。秋の動物たちは冬に備えてドングリなどの木の実をふんだんに食べているため、脂が乗っています。逆に、季節はずれの肉は味が落ちてしまうことがほとんどです。
また、重要なのが肉の処理。血は早く抜き、可能であれば近場の清流で洗います。また逃げ回った獣は体温が上昇しているため腐敗しやすく、血抜きや熟成にもコツを要します。その後、品種によっては内臓を入れたまま熟成させるなど適切な処置が必要になるため、美味しいジビエ料理を作るのは簡単ではありません。そういった処置にこだわりを持ってジビエを扱っているお店を選ぶことが、美味しいジビエ料理に出会うポイントです。
山梨県で美味しいジビエを食べられるレストラン
根強く狩猟文化が残っている山梨では、さまざまなお店でジビエ料理を楽しむことができます。今回はその中から、おすすめのレストランを3件ご紹介します。
その土地で獲れた野趣あふれる肉を美味しく食べられるのが、ジビエ料理の魅力。山梨を心ゆくまで楽しむ選択肢の一つとして、ぜひ一度味わってみてください。
仙人小屋
住所: 〒409-1501 山梨県北杜市大泉町西井出6924-2
TEL: 090-8812-9958
山梨でジビエ料理と言えば真っ先に名前が挙がる人気店です。クマやシカ、イノシシなどの肉が楽しめます。また、イワナなどの川魚やキノコ、わらびなど、山の幸のメニューが豊富です。
URBAN'S CAMP
住所: 〒400-0032 山梨県甲府市中央1-6-4 芳野ビル1F 甲府ぐるめ横丁内
TEL: 050-5571-6690
ジビエ専門のワインバルで、本格キャンプ調理器具で作ったシンプルながらも奥深い料理がいただけます。看板メニューは富士山麓で採れたシカ肉料理で、ステーキやレバーのリゾットなどが人気です。
山麓園
住所: 〒401-0301 山梨県南都留郡富士河口湖町船津3370-1
TEL: 0555-73-1000
URL: http://www.yamanashi-kankou.jp/kankou/eat/p_8359.html
富士山麓は河口湖畔にある炉端焼きの名店。合鴨やイノシシ、ウズラ、川魚、山菜などの串焼きやほうとうなどが定番です。古民家風の店構えで雰囲気が良く、風情を楽しみたい方にもおすすめです。