自然素材にはディープなこだわりを~珪藻土編~|フジヤマクロスロード

40代・50代のためのセカンドライフ2016 / 07 / 28

自然素材にはディープなこだわりを~珪藻土編~

リタイア後のセカンドライフを充実させるために、別荘を建てたいとお考えの40代・50代のご夫婦は少なくないようです。前回のフジヤマクロスロードでは、人気の自然素材である「漆喰」についてご紹介しました。今回は、その漆喰と並んで人気の建築素材「珪藻土(けいそうど)」についてお話をしていきたいと思います。

漆喰ほど知られていない自然素材

漆喰は、今から5000年近くも前から世界中で使われてきた素材です。住宅の塗り壁としてはもちろん、日本では姫路城などの城郭や神社仏閣、世界ではピラミッドや万里の長城といった世界遺産にも用いられています。

一方の珪藻土には建材として漆喰ほどの歴史がなく、漆喰ほど多くの方に知られていませんが、とても火に強いという特徴からコンロや七輪、耐火断熱レンガの原料などとして使用されてきました。そして昨今の健康住宅ブームや自然素材ニーズの高まりに合わせ、「自然素材と言えば漆喰か珪藻土か」と言われるほど存在感を高めています。

珪藻土を選ぶメリット

珪藻土は、藻(も)の一種である珪藻の殻の化石からなる堆積物です。漆喰との大きな違いとして、珪藻土には無数の小さい穴が開いている(多孔質性である)ことが挙げられます。穴が無数に開いているため非常に軽く、重さを気にすることなく施工できます。また、漆喰より吸湿性・放湿性が高いのもメリット。少し前に珪藻土のバスマットが話題になりましたが、足の裏の水分を瞬間的に吸収して時間が経つと放出するという吸湿性・放湿性の高さは珪藻土の一番の特徴です。

一般的に別荘・セカンドハウスは常に誰かが滞在しているという訳ではないので、ジメジメした時期でも頻繁に空気を入れ換えることができません。そういった点で、調湿効果が高い珪藻土はまさに別荘に打ってつけと言えるでしょう。結露などによるカビ・ダニの発生防止や建材の腐食防止などにも有効です。また、漆喰は下地を土壁にしないと調湿効果が大きく落ちてしまいますが、珪藻土は下地が土壁でなくても10~15cmくらいの土壁と同程度の調湿効果があるとされています。

珪藻土を選ぶ際の注意点

種類によっては調湿効果が期待できないものも

現在、珪藻土と呼ばれている素材は約60種類あると言われていますが、空いている穴が小さいものから「ミクロポア」「メソポア」「マクロポア」の3種類に大別できます。この中で、一般的に住宅用の壁材として使用されているのはマクロポア。ですが、3種類の中では一番穴が大きいマクロポアは、実は吸湿性・放湿性が高くありません。

だったら穴が小さいミクロポアが良いのか......というと、ミクロポアは特性上湿気を吸収するばかりで放出することが得意ではありません。珪藻土の中で最も調湿効果が高いのは、穴の大きさがミクロポアとマクロポアの中間であるメソポアです。

一緒に混ぜ込む固着剤に要注意

珪藻土は漆喰のように自ら固まる力を持っておらず、乾燥するとボロボロと剥がれて落ちてきてしまうのが弱点です。そのため、珪藻土を壁材として使用するには固める材料(固着剤)を混ぜ込む必要があります。この時に合成樹脂などの自然素材以外のものを使ってしまうと、こだわって自然素材を選んだ意味がわからなくなってしまいます。

そういった「本当の意味で自然素材ではない珪藻土」を用いても、高い調湿効果は期待できません。そればかりか、使われている素材にVOC(揮発性有機化合物)が含まれていたら健康被害のリスクもあります。実際、自然素材がわずかしか含まれていない珪藻土商品もあるようなので、注意しましょう。

ディープにこだわるなら北海道産のメソポア珪藻土を

珪藻土の中で調湿効果が最も高いのはメソポアとご紹介しましたが、国内では北海道産のメソポア珪藻土が好評です。珪藻土を固めるための固着剤には消石灰、食用のりといった自然素材を選べば間違いありません。

珪藻土はその原料の特性により、漆喰のさらっとした手触りとは異なりざらっとした質感に仕上がります。その分、仕上げ方によってより豊かで個性的な表情の壁を作ることも可能です。本物にこだわったメソポア珪藻土で、過ごしていて心地よく、仕上がりも個性的で美しい別荘を実現しましょう。

本物のメソポア珪藻土とは?

自然素材建築研究所

URL: http://bit.ly/28WF1Na