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山中湖・富士山で趣味を極める
【富士山】霊峰富士はいつ、どこから見るのが美しいのか?
日本で最も高い独立峰(標高3776m)であり、日本を象徴する存在として古くから親しまれてきた富士山。その雄大な山のある景色は、「見る時期(時間帯)」や「見るポイント(場所)」によって表情やたたずまいが大きく異なります。それは、画家として知られる葛飾北斎や横山大観などの作品、あるいは岡田紅陽や大山行男といった写真家の作品を見ても一目瞭然です。今回のフジヤマクロスロードでは、霊峰富士の魅力や自分にとって「最も美しい富士山」を探すためのヒントになる情報をご紹介していきます。
富士山はなぜ「特別視」されるのか?
古くから信仰・崇拝の対象に
富士山は日本一高い山として知られていますが、その1点だけで特別視されているわけではありません。他の山々とは一線を画した「日本人の心に根差すもの」として捉えられてきた歴史があります。どこか神聖さを感じさせるいでたちは多くの人々の心を震わせ、富士山そのものを神と見立てる「富士信仰」という形で崇拝の対象にもなってきました。その歴史は古く、少なくとも富士信仰の形が確立されたのは平安時代末期、中には縄文時代以前から原型があったという説もあります。
しかしなぜ、富士山がそこまで多くの人の心を震わせ、「美しい」と感じさせることができるのでしょうか。その答えは、過去に来日した外国人の著書から読み解くことができるかもしれません。
富士山が「美しい」と言われる理由
江戸時代に来日した医師のエンゲルベルト・ケンペルの著書『江戸参府旅行日記』には、「その姿は円錐形で左右の形が等しく、堂々として、草や木は全く生えていないが、世界中で一番美しい山というのは当然である」という記述があります。また、明治時代に来日した作家のラフカディオ・ハーンは著書『富士の山』の中で、「雪をかぶらぬ山裾は、これまたほとんど空と見まがう碧一色ゆえ、人はただ、冲天高くかかる白皚々たる円錐形をそれと見るばかり」と記述しました。
これら以外にも富士山について書かれた文献は多々ありますが、おしなべて共通するのは「裾野が広がった円錐形」という形状に関する記述が非常に多いこと。富士山を美しいと感じるその理由は、大きさに加えて、均整の取れた円錐形のシルエットにあると言えそうです。
静岡県と山梨県、それぞれから見た富士山の違い
富士山が山梨県と静岡県の県境にまたがるように位置しているのはご存知の通り。そのため静岡県側からも山梨県側からも雄大な富士山を望むことができるのですが、その見え方には大きな違いがあります。
1707年の宝永大噴火で誕生した宝永火口や宝永山がある静岡県側からは、ごつごつとした荒々しい富士山を見ることができます。宝永火口や宝永山は山梨県側からは見ることができないため、この姿を望めるのは静岡県側ならではと言えるでしょう。一方、山梨県側からはなめらかで美しい裾野が広がり、どっしりと構えるシンメトリックな富士山を望むことができます。世界的にも有名な河口湖や精進湖に映る逆さ富士を見られるのも、山梨県側ならではです。
富嶽三十六景(葛飾北斎)の中でも有名な「凱風快晴」に描かれた富士山は静岡県側から見たものと言われており、千円札に印刷されている富士山は山梨県側から見たもの。どの場所からも美しい富士山を仰ぎ見ることができますが、一つの角度だけではなく、たまには別の角度から富士山を眺めてみるのも一興です。
おすすめの富士山眺望・撮影ポイント
富士五湖(山梨県)
やはり富士を望む定番スポットと言えば、富士五湖は欠かせません。富士五湖の一つである山中湖では夏の「赤富士」や冬の「紅富士」を見ることができ、11月から2月頃には夕刻にダイヤモンド富士を見るチャンスが訪れます。日の出を望むのであれば、精進湖がおすすめです。逆さ富士が現れやすく、少しずつ姿を変える空と浮き上がる富士山はまさに絶景。山中湖・河口湖・精進湖・西湖・本栖湖をそれぞれ周って、趣の異なる富士山を見比べてみるのも楽しいでしょう。
薩埵峠(静岡県)
駿河湾に突き出すようにそびえる山の裾にある薩埵峠(さったとうげ)。その下には東名高速道路・国道1号線・東海道線の3つの道路が交差し、右手には駿河湾が広がります。夕暮れ時や夜、明け方には行きかう自動車の光と海、そして富士山という写真映えする風景を見ることができます。
新倉山浅間公園(山梨県)
鮮やかな五重塔(忠霊塔)越しに富士山を望むことができる絶景スポットです(写真)。特に桜のシーズンには、桜・五重塔・富士山という日本を存分に感じさせる風景を楽しむことができます。その景観は海外からも注目を浴び、人気を集めるスポットとなっているため、桜のシーズンは混雑することもあるようです。
ゆったりと富士見風呂、富士山が見える温泉4選
ホテルマウント富士(山梨県)
都心から車で2時間ほど、東名高速道路からも中央自動車道からもアクセスしやすいホテルマウント富士は、山中湖の北西にある緑豊かな高台に建つリゾートホテルです。右手に富士山、そして目の前に広がる山中湖という抜群のロケーションを楽しめます。日帰り温泉プランは、ハイキング帰りや登山帰りの方などに人気です。
ホテルマウント富士
URL: https://www.mtfuji-hotel.com/
ホテルマウント富士(満天星の湯)
ほったらかし温泉(山梨県)
山梨市矢坪、笛吹川フルーツ公園から丘を登ったところにあるのが「ほったらかし温泉」。標高約700mからの眺めはまさに絶景。温泉に浸かりながら、広大な甲府盆地を見守るようにそびえたつ富士山を眺めることができます。営業時間は日の出の1時間前からとなっており、温泉に浸かりながら富士山と日の出を眺めることも可能です。
ほったらかし温泉
休暇村富士(静岡県)
東名高速道路の富士ICから約40分、田貫湖のほとりにある「休暇村富士」。アルカリ性単純泉のなめらかなお湯を楽しむことができるお風呂からは、窓越しに富士山の絶景を望めます。こちらは日帰り温泉入浴だけでなく宿泊も可能なので、目的に合わせて温泉と絶景を楽しめるでしょう。
休暇村富士
富岳群青(静岡県)
伊豆半島の西海岸沿い、海を見下ろす高台に建つ旅館「富岳群青」。客室は全部で8室。そのすべてに群青色の駿河の海と富士山を一望できるテラス、そして露天風呂が備えられています。宿泊客の満足度も高く、ラグジュアリーで大人の「プライベートスイート」な空間を楽しむことができるでしょう。
富岳群青
雄大な富士山の楽しみ方は一つではない
富士は日本一の山――。その雄大な姿は、何百年、何千年も昔から見る者の心を震わせてきました。時間帯や季節、ポイントによって変わる表情やたたずまいは見るものを飽きさせず、探求すればするほど新たな魅力に触れることができるでしょう。登山を楽しむ、眺望を楽しむ、撮影を楽しむ、スケッチを楽しむ......富士山の楽しみ方はさまざまで、一つだけではありません。富士山麓の別荘やセカンドハウスを拠点にしながら、富士山を味わい尽くしてみてはいかがでしょうか。