経営者がデスクチェアにこだわるべき5つの理由
自己投資の考え方と選択肢
なぜ経営者の間でトライアスロンがブームなのか?
今、経営者の間ではトライアスロンが大きなブームになっています。スイム(水泳)・バイク(自転車)・ラン(マラソン)という3種目を立て続けにこなすトライアスロンには「過酷」「タフ」といった印象がありますが、毎日パワフルでアグレッシブにビジネスチャンスを追いかけている経営者にとっては、格好の自己投資・自己鍛錬の機会になっているようです。
多忙を極め、体力・精神力の消耗も激しそうな一流のビジネスマンがこの競技にはまる理由とは――。今回の「フジヤマクロスロード」では、トライアスロンの魅力とそこで得られるメリットについて考えてみたいと思います。
トライアスロンとは
トライアスロン(Triathlon)の主な競技にはショート・ディスタンス(短距離)、ロング・ディスタンス(長距離)、アイアンマン・ディスタンスの3種類があり、ショートは合計51.5km、ロングは154km、そしてアイアンマンは約226kmの距離で競われます。
スイム(水泳) | バイク(自転車) | ラン(マラソン) | |
---|---|---|---|
ショート | 1.5km | 40km | 10km |
ロング | 4km | 120km | 30km |
アイアンマン | 3.8km | 180km | 42.195km |
ショート・ディスタンスの大会はジャパンカップをはじめ全国各地で数多く開催されており、プロ・アマを問わず多くのアスリートが参加しています。ロング・ディスタンスは佐渡や宮古島の大会が、アイアンマン・ディスタンスでは洞爺湖(北海道)や知多半島(愛知県)で行われる大会がおなじみです。
トライアスロンに取り組むメリット
戦略的マインドの質が上がる
トライアスロンはシンプルに見えて、実はとても戦略性に富んだ競技です。スイムとバイクでは距離がまったく異なり、体力を温存するポイントも変わってきます。また大会によっては気温が高かったり、波や風や日差しが強かったりすることもあるでしょう。レバレッジコンサルティングの本田直之社長やケンコーコムの後藤玄利社長は「高い戦略性が求められること」が面白さであると話していますが、自身(会社)の強みや弱みを的確に理解し、それをふまえて戦略を練る思考は、ビジネスの成功に不可欠な要素です。
セルフマネジメントの質が上がる
経営者は年中忙しいし、体づくりをする時間もない――と思うかもしれませんが、トライアスロンに挑戦する経営者はセルフマネジメントの質を高め、忙しいなかでもトレーニングの時間を捻出しています。「ただ飲んで、意味のない残業している人は、それをやめるだけ」と話すのは、ベネッセホールディングスの原田泳幸社長。質の高いセルフマネジメントができるようになれば、極めて効率的に仕事を進められるようになります。
PDCAサイクルを回す質が上がる
経験が浅いアスリートにとって失敗はつきもの。しかし、その失敗をふまえて日々の計画を立て、生活習慣や練習方法を改め、再び大会にチャレンジしてその結果を検証する――。このスキルアップのプロセスは、ビジネスにおけるPDCAサイクルそのものです。問題を発見する力や的確に改善する力が身に付けは、会社経営においても大きなアドバンテージを得られるでしょう。ゼットンの稲本健一社長はある大会参加中にハンガーノック(極度の低血糖状態)で倒れてしまったことがあるようですが、こうした失敗がPDCAサイクルを回す原動力になっている方も多いようです。
鉄人経営者としての飛躍の舞台がここに
日経新聞(2012年1月16日付)が報じたところでは、トライアスロン競技者の約8%が企業経営者だといいます。それほどこの競技にのめり込むのは、経営者にはストイックに物事を追求したい性格の方、自己研鑽への意欲が高い方、負けず嫌いの方、困難に挑むことにやりがいを感じる方が多いからかもしれません。
ウェールズには、移動距離450km(水泳が7.7km・自転車が360km・マラソンが83km)というアイアンマン(鉄人)も驚く過酷なレースがあります。忙しい合間を縫って鍛錬を重ね、こうした大会に参加してみれば、超一流のビジネスマンとして大きく飛躍できる――可能性もあるでしょう。くれぐれも、無理はしないようにご注意くださいね。