経営者がデスクチェアにこだわるべき5つの理由
40代・50代のためのセカンドライフ
山梨県の温泉を楽しむための基礎知識
前回のコラム「リタイア後は夫婦で温泉巡りをしませんか?」では、夫婦円満を保つ秘訣として共通の趣味にしやすい「温泉」についてご紹介しました。ある程度お金もあり、仕事には余裕ができ、子どもの手も離れたという40代・50代のご夫婦の中には、いい温泉を探しに全国を飛び回っているという方もいらっしゃるでしょう。
世界有数の温泉大国である日本には、全国に有名な温泉地が点在しています。しかし、富士山のふもとにある山梨県が隠れた温泉スポットであるということはあまり知られていません。富士山麓で大人のライフスタイルや上質な時間の過ごし方について考えるこのコラム、今回はそんな山梨県の名湯を楽しむための基礎知識についてお話をしていきたいと思います。
山梨県の特殊な環境と温泉事情
地球の表面は10枚以上の巨大な岩盤(プレート)で覆われており、陸地や海はその上に乗るようにしてできています。日本付近には北アメリカプレート、ユーラシアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレートがある――というのはご存知の方も多いと思いますが、この4枚のプレートが重なり合うという極めてユニークな地質構造の上に山梨県があります。
プレートとプレートの境目には火山ができやすく、火山地帯ではマグマによって温められた地下水が温泉となって湧き出る可能性が高くなります(火山性ではない温泉もあります)。山梨県では171箇所に源泉が点在しており、酸性が強い温泉からアルカリ性が強い温泉、ラジウム含有量が多い温泉までバリエーションも豊富です。
エリア別温泉紹介~県央エリア
県庁所在地がある甲府市や笛吹市、甲州市などを包括するエリアです。甲府盆地は構造上・地質上雨水などを貯めやすく、貯まった水が形成する巨大な地下湖が豊富な源泉のもととなっていると言われています。
湯村温泉(ゆむらおんせん)
1200年ほど前に弘法大師が開いたとされ、太宰治・井伏鱒二・松本清張などの文豪が愛した温泉です。毎分1トンにもおよぶ良質なお湯が湧き出ています。
積翠寺温泉(せきすいじおんせん)
要害山城の麓にある、弱アルカリ性の温泉です。戦国武将・武田信玄が産湯に浸かったと伝えられており、周辺にある武田家にゆかりがある旧跡の観光も楽しめます。
エリア別温泉紹介~北西エリア
長野県に隣接する北杜市や韮崎市がある地域です。大自然に囲まれた温泉で緑や風、満天の夜空などを満喫できるのは、八ケ岳のお膝元ならでは。1000mを超える標高からのパノラマを楽しめる旅館や施設が数多くあります。
増富温泉(ますとみおんせん)
北杜市にある温泉です。胃腸疾患、関節症、更年期障害、アレルギー、神経痛などに広く効能があるとされるラジウムの含有量が非常に多いことから、「増富ラジウム温泉」とも呼ばれています。
エリア別温泉紹介~富士五湖エリア
富士吉田市や山中湖村を中心に、富士五湖一帯に広がるエリアです。最大の特徴は、何と言っても富士の眺望。春夏秋冬、朝昼晩とさまざまな表情を見せる日本一の霊峰を仰ぎながらじっくり浸かる温泉は格別です。
山中湖温泉(やまなかこおんせん)
「最上級の高濃度アルカリ源泉」と評する声もある、美肌効果の高い温泉です。アルカリ性のお湯には肌の汚れや古い角質などを溶かす働きがあり、山中湖温泉は冷え性にも良いとされているので、特に女性におすすめです。
エリア別温泉紹介~南アルプスエリア
南アルプス市および以南の南巨摩郡を中心とする、赤石山脈の東側エリアです。オートキャンプや登山などで人気の地域には古くから秘湯・隠し湯が数多く存在しており、旅人の疲れた体を癒してきました。
西山温泉(にしやまおんせん)
早川の上流に湧く西山温泉は、700年代に発見されたと伝えられる国内屈指の古湯です。秋になれば山峡の紅葉が美しく、訪れた者の体だけでなく目も癒してくれます。硫黄が多く含まれるので皮膚病や胃腸炎にも効果があります。
下部温泉(しもべおんせん)
下部川沿いに広がる「武田信玄の隠し湯」として有名な温泉街は、山梨県にある多くの温泉の中でも特に湯治目的で利用されてきました。アルカリ性のお湯は31℃とぬるめ。飲用効果も高く、その昔は薬として使われていたと言います。
水を介して「夫婦水いらず」
"海なし県"で知られる山梨県では、標高100m台から1500m前後の高地までさまざまな場所から温泉が湧き出ており、温泉地ごとにまったく異なる景観や泉質が楽しめます。都心からのアクセスの良さを活かして週末に訪れるのもよいですし、別荘やホテルに拠点を置いて本格的に温泉巡りをしてみるのもよいでしょう。「夫婦水いらず」という言葉がありますが、「水(お湯)」が二人の仲を深めてくれることもあるはずです。